宮の森アルテ・ムジクスは、バロック、古典派の作品を主に演奏することを目的として、2007年6月に創設されたアマチュアの管弦楽団&合唱団で、2017年に創立10周年を迎えました。年2回の定期演奏会(今回で第20回目)と、不定期にアーベントムジークを開催しています。
宮の森アルテ・ムジクスでは、作曲当時の演奏様式を出来る限り再現することを目標に、管弦楽団は、当時の演奏方法(いわゆるピリオド奏法)を採用し、フラウト・トラヴェルソ、バロックオーボエ、バロックファゴット、ナチュラル・ホルン、バロック・トランペット、バロック・ティンパニ等のピリオド楽器を取り入れています。また、合唱団はコンチェルティスト(ソロと合唱を両方担当)とリピエニスト(合唱部分のみを歌う)からなる小編成で構成しています。

平成21年札幌市民芸術祭奨励賞を受賞

平成21年3月14日に行った第2回春季定期演奏会(第1200回札幌市民劇場。札幌コンサートホールkitara小ホール)が、札幌市民芸術祭奨励賞を受賞いたしました。受賞に際していただきました講評を掲載いたします(以下全文)。

講評
18世紀ヨーロッパの管弦楽様式を踏襲するオーケストラで、本格的な公演を行う誕生間もない団体の公演であるが、その音色において新鮮な印象を与えた演奏であった。
古楽管楽器を得るには、大変な努力を要したと思うが、それが、この公演を成功に導いている。演奏技術も立派である。また、レクイエムの合唱はその卓越したアンサンブルと大変よい声は特筆に価する。
今後は、弦楽器群の演奏法の熟達に研究努力を惜しまないでほしい。演奏者と聴衆がこの様式の音楽の魅力を十分に楽しむには、時間がかかるだろうが、団員の熱心な練習と研究、そして定期的な演奏会を続けることに期待したい。

創立10周年にあたり感謝のことば
宮の森アルテ・ムジクス 代表 白石 一弘

いつも宮の森アルテ・ムジクスを応援いただきありがとうございます。
当団は、2007年6月に、バロックや古典派の作曲家の音楽をもっと演奏したい!と野望を持った数人のアマチュア音楽愛好家の発案により創設されました。せっかくバロックや古典派の作品を演奏するのだから、当時の楽器や奏法で演奏したいよね~、こんな軽い発想と熱意だけで始めてはみたものの、ロマン派以降ばかり演奏してきたアマチュアオーケストラ経験者には、バロック・古典派の森はあまりにも深く、様々な特有の奏法、楽器の扱いに苦労を重ね、試行錯誤している間に10年が過ぎてしまったというところが正直な感想です。
この間、バロックや古典派の作品を演奏したいという同じ志を持つ多くの仲間とのつながりが生まれ、今回の演奏会の参加者は70名を超える規模となりました。また、当団の活動がきっかけとなり、2014年からは、100名を超える北海道在住のアマチュア演奏家が年に1度集まってベートーヴェンの交響曲や協奏曲全曲などを1日で演奏するという「北海道ベートーヴェン協会」の活動もはじまりました。そして、なによりも、毎回マニアックな選曲にもかかわらずご来場いただき、あたたかい拍手を送ってくださったお客様とのつながりが、10年間活動を続けることができた原動力となりました。この場をお借りして感謝申し上げます。
次期の10年では、これまでのバッハ、モーツァルト、ベートーヴェンに加えて、シューベルト、メンデルスゾーン、ベルリオーズなどポスト・ベートーヴェンの作曲家の交響曲チクルスも予定しております。作曲当時の演奏スタイルをできる限り再現することを目標に、無謀にチャレンジし続けますので、今後とも宮の森アルテ・ムジクスを応援いただけますようお願い申し上げますとともに、これまでご支援いただきました皆様に御礼申し上げまして、創立10周年にあたっての感謝のことばとさせていただきます。

【代表 略歴】1971年生まれ。中学・高校の吹奏楽部で指揮を務め、大学入学時からオーケストラでの演奏・指揮をはじめる。これまでに明治大学交響楽団、尾原記念オーケストラ、札幌西区オーケストラ、北海道ベートーヴェン協会管弦楽団などの指揮者を務める。2007年に宮の森アルテ・ムジクスを創設し、代表と指揮を務め現在に至る。明治大学政治経済学部卒業。